初期衝動を思い出した

私がツールを真面目に見出したのは、一昨年のツール100周年でした。その年のツールは、イエロージャージを僅差で奪い合う壮絶なステージが展開された年だったと記憶しています。
灼熱(実際この年のヨーロッパは異常な猛暑に見舞われた)の中を行く選手達の汗に、こっちもヒートしっ放し。この世にこんなに面白い競技があったのかと、目から鱗が落ちたものです。その時から、私の七月はツールになりました。
さて、今年の第九ステージ、ラスムッセンの大逃げは、まさしく私の初期衝動となった「ツールの面白さ」そのものでした。序盤からの大逃げ、追走する選手の駆け引きと友情、集団をコントロールする各チームの思惑の錯綜した動き。
一番でゴールしたラスムッセンも素晴らしかったと思いますが、二位・三位の二人も、このツールを見ている私たちに大きな何かを残してくれました。これだから観るのを止められないわけです。